豊高校長室だより

豊高校長室だより

ポジティブな、新しいことばを発しよう(令和3年4月8日・1学期始業式での校長あいさつ)

 おはようございます。進級おめでとうございます。みなさんの元気な姿を目にすることができて、とても嬉しく思います。わたくしは、4月1日付で豊岡高校校長として着任しました、内田正俊と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 昨年度は、これまでなかった不自由な生活を余儀なくされました。そんな中でも折れずに努力し、学校生活を充実させていることを高く評価したいと思います。

 さて、きょうは「ことばの力」についてお話しします。ポジティブなことばを発すれば、自分だけでなく他人までも望むものに変えてしまうし、ネガティブなことばを発すれば落ちるところまで落ちるよ、という話です。

 古くから、ことばには魂があって、発せられた言葉は大きな力をもっており、その通り現実になると信じられてきました。「コトダマ」などと言ったりします。縁起がいい、人を祝う言葉を口にすると、人や人の心までもこちらの望むものに変えてしまう、というわけです。

 古典の時間に扱うと思いますが、万葉集は現在まで伝わる最も古い歌集です。年代のはっきりしている一番新しい歌は西暦759年のもので、今から1260年ほど前になります。万葉集では、この日本を「言霊(ことだま)の幸(さき)はふ国」と表現しています。ことばが持っている力によって、幸せになるというのです。

 本校の名前になっている豊岡という地名は、1889(明治22)年に入間市のもとになる4つの村が合併したとき、将来を祝ってめでたい名をつけたということです。日当たりがよく実りが多く生活が豊かで裕福なところというわけです。一方、「入間」も、漢字をあてるときに、「入」は豊かな収入、「間」は、門(家々)に太陽の光が降り注ぐ、日当たりの良い平和な生活を営むということで、本校は100年前に農学校として誕生したわけですが、豊岡・入間という名からもわかるように、人々は大地に足がついた生き方を理想としてきたようです。

 万葉集には入間の地で詠まれたこんな歌が伝わっています。

 入間路(いりまぢ)の大家(おほや)が原(はら)のいはゐ蔓(つら)引かばぬるぬる吾(わ)にな絶(た)えそね (万葉集巻十四)

 入間地方大家が原に生えているイワイツラというつる草が、引っぱればぬるぬると続いていくように、私との仲を絶やさないで欲しい、というのです。

 その「いり(る)ま」もかなり広い地域だったようで、「おおや」という地名がいまの狭山と日高の境あたりや坂戸市にあります。千年以上伝わる地名というわけです。

 豊岡高校創立百周年の節目の年を経て、新たな未来を創る第一歩と踏み出しました。これから時代は、これまでの当たり前が、当たり前でない世界になっていくはずです。迷ったら、凝り固まった古い価値観を破り、新しいことばを口にしてほしいと思います。そして、足が大地に着いた、押されてもびくともしない力をつけてほしいと思います。興味を持った学問やスポーツ、芸術を足掛かりに脳に大いに汗をかき、足腰を鍛える高校生活を楽しんでください。

 話はこれで終わりにしますが、もっと聞きたいという人はぜひ校長室においでください。校長室のドアが開けてあるときはいつでも歓迎です。

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